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リチウムイオン二次電池
XRDによる正極材料の結晶構造解析

XRDを用いてリチウムイオン二次電池の正極材料の結晶構造解析ができます。

なぜ正極材料の結晶構造解析が必要なの?

充電・放電状態に応じた結晶構造の変化をとらえることが、電池を設計する上で重要だからです。

リチウムイオン二次電池では、充放電に伴いLiイオンの出入りが生じます。電池設計上、Liイオンの脱離・挿入により、電極活物質の結晶構造が大きく変化しないことが求められます。しかし、正極活物質は充放電過程において、Liの挿入・脱離に伴い体積の膨張・収縮のみならず結晶構造変化(相変態)を生じやすいことが知られております。そのため充放電に伴う結晶構造変化を詳細にとらえることが重要です。

どのようにXRD分析をしているの?

密閉型試料台を用いることにより、大気非暴露で測定を行っています。

特にLiイオンが脱離した充電状態の正極材料は、結晶構造が大気下で不安定なため、大気非暴露での分析が必須となります。Ar雰囲気グローブボックス内でサンプリングをし、日産アークオリジナルの大気非暴露ホルダやin-situセルにセットして分析を行っています。

XRDで、どんなことが分かるの?

各電位に対する結晶構造やその詳細な格子定数がわかります。

XRDチャートでは、横軸に示す2θ(角度)が結晶の面間隔に対応し、ピーク強度は主に原子による散乱を表しています。
図2に初期品の放電・充電状態およびサイクル品(300cyc)の放電状態のXRD測定結果を示します。放電状態を測定した結果、解体電圧に対応してピークが低角側にシフトしており、これにより正極酸化物のリチウムががわずかに脱離していることが分かります。また、充電状態ではピークがさらに低角側にシフトしており、充電深度に対応したリチウム脱離の様子が観測されました。また、300サイクルでは、充電状態と放電状態に特徴付けられるピークが共に認められ、これはサイクル劣化に伴い一部放電状態に戻れない領域があることを示唆していると考えられます。
得られた回折ピークより算出した格子定数を表1に示します。充電状態と放電状態との比較より、充電することによってa軸が縮み、c軸が伸びることがわかります。さらに、初期品放電状態と300サイクルとの比較では、僅かにc軸の格子定数が伸びていることがわかります。この違いはサイクル劣化等によりLiが戻れないことを示唆するものです。

in-situ XRDで何がわかるの?

充放電過程における電極電位に対応した結晶構造の変化をリアルタイムにとらえることができます。

図3は市販三元系電極を用いたハーフセルでin-situ XRD測定を行った結果です。
CC(定電流)充電に伴い、ピークがシフトしていることがわかります。特に、(108)で特徴づけられるピークに注目すると、面間隔が伸びていること、さらに、CV(定電圧)充電を行うと面間隔が縮むことがわかります。一方、(110)ピークでは、CC充電に伴い面間隔が縮み、CV充電では一定であることが理解できます。
このように、各電位に伴う回折曲線を測定することにより、正極材料の結晶構造の特徴を明らかにすることができます。

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