本成果はJournal of Applied Physics 誌に掲載されました
充電過程におけるLi(Ni1/3Co1/3Mn1/3)O2の価数変化を定量化する手法を開発
遷移金属系材料に対する従来のXANES解析では、参照物質のスペクトルとの照合による価電子状態の特定に限定されていました。そこで、XANESと第一原理計算の融合的アプローチによる価電子状態の評価方法を開発し、リチウムイオン二次電池用正極材料 Li(Ni1/3Co1/3Mn1/3)O2に適用することで、同材料の構造および電気化学反応の詳細を解明しました。
遷移金属の価数変化を定量化するために
遷移金属 (Ni,Co,Mn) K 端XANESおよびL端XASを第一原理計算シミュレーションで再現
Oの役割について詳細に検討するために
K 端XASを第一原理計算シミュレーションで再現
充電過程における価数変化
XASおよび理論計算を組み合わせた解析手法は“電池材料の評価に留まらず、あらゆる材料の評価に適用可能”です。
J. Appl. Phys. 120, 142125 (2016).