溶液理論モデルに基づき、計算コストを大幅に削減します。
ESM-RISM法による電極界面シミュレーション
電気化学界面のシミュレーションには、電極や界面における吸着・反応分子、電解質や塩など、多くの構成要素が存在し、電位でその全体構造が変化するため、計算コストが高くなります。日産アークでは、ESM-RISM法で低コストで電極-電解液界面シミュレーションを実施します。
シミュレーション方法
本手法の特徴:
・注目する吸着分子や反応分子以外の電解質を溶液理論モデル
(RISM:Reference Interaction Site Model)に置換
・ESM法に基づくバイアス印加
・電解液の組成や塩濃度の指定が可能
アウトプット:
・界面影響下にある電解液の平均構造
・溶媒やバイアスの影響下にある分子や表面の構造吸着や電気化学
反応の電位シミュレーション
適用例:正極表面に吸着したプロピレンカーボネート分子
通常の第一原理MD計算の約1/10の計算時間で、界面構造や反応性の詳細な情報を取得しました。
計算モデル:
・正極:LiMn2O4(111) 表面
・電解液:EC + LiPF6 (1M)
・吸着種:PC分子
・バイアス:充電条件