GCを用いて電池内の発生ガス分析ができます。
なぜガス分析が必要なの?
電池は充放電を繰り返すと、性能が低下していきます。その過程で、電解液の劣化などによりガスが発生します。つまり、ガスを分析することで劣化の手がかりを知ることができるのです。
電池の中では充放電に伴い様々な電気化学反応が起こっています。
例えば、初期被膜形成過程においては、電解液添加剤や主溶媒の電気化学反応により、SEI膜が形成されるとともにガスが発生します(図1)。
このような反応は、活物質の割れやSEI膜の破壊・修復に伴いサイクル過程でも起こり、電解液の分解とともにガス発生が生じます。また、残留水分との反応によっても、H2などのガスが発生することがあります。ガスの発生は安全性にも関わるので、どのようなガスが発生しているか調べることは重要です。
電池の中では充放電に伴い様々な電気化学反応が起こっています。
例えば、初期被膜形成過程においては、電解液添加剤や主溶媒の電気化学反応により、SEI膜が形成されるとともにガスが発生します(図1)。
このような反応は、活物質の割れやSEI膜の破壊・修復に伴いサイクル過程でも起こり、電解液の分解とともにガス発生が生じます。また、残留水分との反応によっても、H2などのガスが発生することがあります。ガスの発生は安全性にも関わるので、どのようなガスが発生しているか調べることは重要です。

どのようにガス分析をしているの?
専用のバッグやホルダー内で電池を開封してガスを採取し、GC-TCD(熱伝導度検出器)やGC-MS(質量分析装置)で分析しています。
ガスを採取する方法はいくつかありますが、一例として専用バッグを使用する方法があります(写真1)。バッグ内に試料を入れて空気を抜き、不活性ガスで充填したのち電池セルに穴を開けて内部のガスを採取します。
採取したガスは、写真2に示すGC-TCDや写真3に示すGC-MSに導入し測定をします。
GC-TCDは、キャリアガス(ヘリウム)とサンプルガスの熱伝導度の差を利用して、主に無機ガスの定性・定量を行います。
一方、GC-MSでは専用のカラムを用いて主に低分子の有機ガスを分析します。分離機能を持つGCと質量分析機能を持つMSの2つの機能で、検出成分の同定とガス濃度を算出しています。GC-MSにおける検出成分の同定は、ライブラリーとの比較で化合物を選択しています。ガス濃度の算出は、標準ガスのキャリブレーションから行っています。

ガスを採取する方法はいくつかありますが、一例として専用バッグを使用する方法があります(写真1)。バッグ内に試料を入れて空気を抜き、不活性ガスで充填したのち電池セルに穴を開けて内部のガスを採取します。
採取したガスは、写真2に示すGC-TCDや写真3に示すGC-MSに導入し測定をします。
GC-TCDは、キャリアガス(ヘリウム)とサンプルガスの熱伝導度の差を利用して、主に無機ガスの定性・定量を行います。
一方、GC-MSでは専用のカラムを用いて主に低分子の有機ガスを分析します。分離機能を持つGCと質量分析機能を持つMSの2つの機能で、検出成分の同定とガス濃度を算出しています。GC-MSにおける検出成分の同定は、ライブラリーとの比較で化合物を選択しています。ガス濃度の算出は、標準ガスのキャリブレーションから行っています。


具体的に、どんなガスを見ているの?
H2、O2、CO、CO2などの無機ガス成分、CH4、C2H4、C2H6などの低分子有機ガス成分など、電池反応によって発生したガス成分を見ることができます。
図2に初期品電池のGC-TCDによるガスクロマトグラムを、同様に図3にGC-MSによるガスクロマトグラムを示します。縦軸にピーク強度、横軸には検出時間を示しています。
これらの結果から、初期品電池においても、H2,O2,CO,CO2,CH4,C2H6が存在していることが分かりました。また、表1に定量分析を行った結果を示します。

図2に初期品電池のGC-TCDによるガスクロマトグラムを、同様に図3にGC-MSによるガスクロマトグラムを示します。縦軸にピーク強度、横軸には検出時間を示しています。
これらの結果から、初期品電池においても、H2,O2,CO,CO2,CH4,C2H6が存在していることが分かりました。また、表1に定量分析を行った結果を示します。

