「N-ARC法」をわかりやすくご紹介します。
N-ARC法で何が分かる?
製品の弱い部分を明らかにします
成形時に起きた現象が分かります
樹脂の組織を観察する当社オリジナルの技術です
N-ARC法は、日産アークが開発した独自技術で、New Analysis of Resin(Rubber) Cross sectionの略です。樹脂やゴムなど高分子材料の射出成形時の流れ痕跡や球晶(結晶)構造を可視化することができます。樹脂の組織を見る方法としては、従来、顔料を入れて色を観察する方法や、ミクロトームによって薄く切り出した切片を観察する方法が主流でした。しかし、顔料を混入すると正確な樹脂の組織を把握することは難しく、ミクロトームでは局所的な領域しか見ることができないという問題がありました。当社では、自動車メーカーが部品を金属から高分子材料に切り替えていくのに伴い、樹脂の組織観察の需要が高まっていたことを契機として研究に取り組んできました。
具体的な観察方法は、まず試料を研磨し表面をきれいにします。そして物理的・化学的な処理を施し光学顕微鏡で撮影しています。
研磨や前処理、観察の過程では高度な技術とノウハウが必要で、N-ARC法による観察ができるのは、当社でも一部の研究者に限られています。
このN-ARC法で得られた情報(組織)は成形に起因した不具合、材料開発、金型設計にフィードバックすることが可能です。
具体的な観察方法は、まず試料を研磨し表面をきれいにします。そして物理的・化学的な処理を施し光学顕微鏡で撮影しています。
研磨や前処理、観察の過程では高度な技術とノウハウが必要で、N-ARC法による観察ができるのは、当社でも一部の研究者に限られています。
このN-ARC法で得られた情報(組織)は成形に起因した不具合、材料開発、金型設計にフィードバックすることが可能です。
製品の不具合の要因を探ります
N-ARC法は、成形不良や強度不足など、射出成形品の不具合の要因を探る用途で主に使われています。例えば、金型に樹脂を流し込むゲート(入り口の部分)から樹脂が金型に沿って充てんされていく際の組織を見て、
①強度が弱い部分や力がかかる部分にウエルドが できていないか確認する
②樹脂に混ぜるフィラー(無機物の充てん剤)や補強材、ガラス繊維、
カーボンファイバーなどの添加物の混ざり具合、配向を確認する
③球晶(ナイロンやポリプロピレンなど結晶化樹脂の結晶が成長したもの)の大きさから樹脂が固まる際の温度を推測する
などの活用が考えられます。
①強度が弱い部分や力がかかる部分にウエルドが できていないか確認する
②樹脂に混ぜるフィラー(無機物の充てん剤)や補強材、ガラス繊維、
カーボンファイバーなどの添加物の混ざり具合、配向を確認する
③球晶(ナイロンやポリプロピレンなど結晶化樹脂の結晶が成長したもの)の大きさから樹脂が固まる際の温度を推測する
などの活用が考えられます。