N-ARC法をわかりやすく解説 

材料の分析でよく用いられる手法について、その原理、構成、特徴、分析できる内容などを「わかりやすく解説」します。ここでは成形体の流れ構造・分散・高次構造など見えないものを可視化する当社オリジナル観察技術のN-ARC法 について解説します。
成形体の流れ構造・分散・高次構造など見えないものを可視化します。
N-ARC法:New Analysis of Resin (Rubber) Cross section

N-ARC法で何が分かる?

樹脂製品の断面の組織を把握することにより、製品が壊れたり反ってしまったり、また、表面に模様ができるといった射出成形品のさまざまなトラブルの原因を把握することができ、成形条件や材料の選定に役立ちます。

樹脂の組織を可視化します

図 押しピンの断面図
ゲートから充てんされたポリスチレン樹脂が、金属のピン側に向かって流動しているのが鮮明に表れています。

製品の弱い部分を明らかにします

ゴムブレンド部品
破断した天然ゴム/スチレン・ブタジエン・ゴム (NR/SBR) 成形品の断面観察結果です。割れの左右の部分にゴムの充てんの流れが確認できます。
2つのゴムの流動部分が会合しているウエルドラインに添ってゴムが破断していることが分かります。

成形時に起きた現象が分かります

ガラス繊維強化ナイロン
表層から約200μmの領域にせん断流れが認められ、その領域から中心部 (コア) にかけて球晶が観察されています。これらは表層は金型で冷やされて比較的早く固化し、中央部はゆっくりと冷やされて固化したと考えられます。

樹脂の組織を観察する当社オリジナルの技術で、製品の不具合要因を探ります

N-ARC法は、当社が独自に開発した技術で、New Analysis of Resin (Rubber) Cross sectionの略です。樹脂やゴムなど高分子材料の射出成形時の流れ痕跡や球晶 (結晶) 構造を可視化することができます。樹脂の組織を見る方法としては、従来、顔料を入れて色を観察する方法や、ミクロトームによって薄く切り出した切片を観察する方法が主流でした。しかし、顔料を混入すると正確な樹脂の組織を把握することは難しく、ミクロトームでは局所的な領域しか見ることができないという問題がありました。
具体的な観察方法は、まず試料を研磨し表面をきれいにします。そして物理的・化学的な処理を施し光学顕微鏡で撮影しています。研磨や前処理、観察の過程では高度な技術とノウハウが必要で、N-ARC法による観察ができるのは、当社でも一部の研究者に限られています。このN-ARC法で得られた情報 (組織) は成形に起因した不具合、材料開発、金型設計にフィードバックすることが可能です。

N-ARC法は、当社が独自に開発した技術で、New Analysis of Resin (Rubber) Cross sectionの略です。樹脂やゴムなど高分子材料の射出成形時の流れ痕跡や球晶 (結晶) 構造を可視化することができます。樹脂の組織を見る方法としては、従来、顔料を入れて色を観察する方法や、ミクロトームによって薄く切り出した切片を観察する方法が主流でした。しかし、顔料を混入すると正確な樹脂の組織を把握することは難しく、ミクロトームでは局所的な領域しか見ることができないという問題がありました。
具体的な観察方法は、まず試料を研磨し表面をきれいにします。そして物理的・化学的な処理を施し光学顕微鏡で撮影しています。研磨や前処理、観察の過程では高度な技術とノウハウが必要で、N-ARC法による観察ができるのは、当社でも一部の研究者に限られています。このN-ARC法で得られた情報 (組織) は成形に起因した不具合、材料開発、金型設計にフィードバックすることが可能です。

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