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リチウムイオン二次電池
SEMによるSBR系バインダーの分布観察

SEMを用いてSBR系バインダーの分布観察ができます。

なぜバインダーの分布観察が必要なの?

電極内における電子の通り道をつなぐバインダーの分布は、電池の容量や出力に影響を与えるからです。

バインダーは、活物質や導電助剤、集電箔を結着させるために用いられます。バインダー自身は直接的には素反応に関与はしませんが、電子の通り道をつなぐ重要な役割を担っています。
そのバインダーの偏在などにより、活物質-活物質間や活物質-導電助剤間、さらには電極合剤-集電箔間における密着力の低下や、それに伴う電子導電性の低下を招く可能性があり、それらは出力特性に影響を及ぼします。
さらに、活物質の孤立や合剤層の集電箔からの剥がれにより容量低下も生じる可能性があるため、バインダーの分布観察は電池性能を調べる上で重要な役割を果たします。

どのようにバインダーの分布を観察するの?

染色法によりバインダー成分を可視化します。

バインダーの分布観察を行う場合、バインダーの種類によって手法が異なってきます。ですので、あらかじめバインダーの種類を熱分解GC-MS 熱分解GC-MSなどで調べておく必要があります。
PVDFのようなフッ素系樹脂を用いる場合、 正極の形態観察および元素分析でもご紹介しているように、SEM-EPMAによるFマッピングからその分布を観察します。
一方、SBRなどに代表される水系バインダーの場合、Fなどの特徴的な元素が存在せず、またSEM像でもコントラストがつかないため、Os染色法という前処理を施してバインダー成分を可視化します。
Os染色とは、SBRの二重結合部分にOsを付加させる方法で、これによりSBRはOsとの化合物になります(図2)。このOsは重たい元素ですので、SEMの反射電子像で明るいコントラストとして観察することができるようになります。

具体的に染色法によるSEM観察でどのようなことがわかるの?

バインダー成分(SBR)が明るいコントラストで観察され、その分布の様子がわかります。

写真2に染色処理なしと染色処理ありの断面SEM像(反射電子像)を示します。染色処理なしの場合、活物質とバインダーの区別が明瞭に付きません。一方で、染色処理を施すと、明暗のコントラストが観察されました。

図3に示す染色処理後のSEM像とEPMAによるOsマッピングの比較より、白く観察された部分はOs、つまりSBRバインダーであることがわかります。この方法により、バインダー分布の様子を観察することができます。この試料ではバインダーが均一に分布されていることがわかりました。

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