スラリーの分散状態を定量的に評価できます
スラリー観測による湿式プロセス設計効率化
湿式塗工による電極作製は、全固体電池の大型化・量産化のプロセスとして有力視されています。急速凍結を用いた液系材料の凍結断面観察により、スラリーの分散状態が把握できます。さらに、スラリー構造と電池特性の相関を解析することで、プロセス設計の効率化に繋がります。
クライオSEMによる全固体電池正極スラリーの分散状態観察
全固体電池正極スラリーについて、グローブボックス内にて攪拌前後の状態でサンプリングをし、液体窒素にて凍結を行い、凍結状態を保持したまま断面作製および観察を行いました。攪拌前では、固体電解質および活物質は下方に多く存在している様子が観察されました。攪拌後、それらはより均一に存在している様子が観察されました。画像解析により面積率や粒度分布、重心間距離などを算出することで分散状態を定量的に評価することが可能です。
| 部材 | 部材面積率(%) | ||
|---|---|---|---|
| A. 撹拌前 上方 | SE | 9 | 11 |
| 活物質 | 2 | ||
| B. 撹拌前 下方 | SE | 40 | 51 |
| 活物質 | 11 | ||
| C. 撹拌後 | SE | 17 | 21 |
| 活物質 | 4 | ||
