燃料電池駆動時の状態を再現した観察が可能です
エタン凍結クライオTEMによるアイオノマーの直接観察
燃料電池駆動時に触媒層 (カソード) は高温・高湿状態になります。このとき、アイオノマーが膨潤することから、空孔は狭くなり、ガスや水の流れが阻害されます。エタン凍結クライオTEMでは、触媒層を急速凍結し、膨潤状態を保持したまま観察を行います。これにより、燃料電池駆動時の状態を模擬的に再現した、アイオノマーの分散状態を視覚的に把握することができます。
燃料電池触媒層のクライオTEM観察
従来法 (室温観察) では、仕込み量に対してアイオノマーが少なく観察されました。電子線照射ダメージと真空観察によりアイオノマーが干乾びている可能性が示唆されます。一方、エタン凍結クライオTEM観察では、ドライ保管品においても従来法に比べ、アイオノマーの存在が明確に確認できました。また、特に湿度60%、90%では膨潤したアイオノマーにより空孔が塞がっている様子が確認できました。


