アモルファス薄膜の特徴
アモルファス薄膜は、光学材料、太陽電池、ディスプレイなど様々な用途に用いられます。金属やセラミックスなどの結晶性材料が、単位構造が周期的に配列した構造を有するのに対し、アモルファス薄膜には周期的な構造がないという違いがあります。アモルファス薄膜では各原子が緩く結合しており、柔軟な構造変化を示しますが、その構造が材料特性に大きく影響します。
X線PDFによるアモルファス薄膜の構造解析
アモルファス薄膜は周期構造を持たないため、X線全散乱測定から二体分布関数 (Pair Distribution Function: PDF*) を求めることで構造を評価しますが、通常の透過型X線全散乱測定では薄膜の構造を評価することはできません。日産アークでは、放射光斜入射X線回折 (Grazing-Incidence X-ray Diffraction: GI-XRD) でデータを取得し、PDF解析を行なうことで、アモルファス薄膜を定性定量的に評価できます。*PDF (Pair Distribution Function) : 距離がrの原子対の頻度を表す。




