斜交型X線CTによるTGVの高分解能非破壊観察

斜交型X線CTの特徴

日産アーク所有のX線CT (Sigray社 Apex XCT-150) は、一般的な直交型のX線CTとは異なる斜交型を採用しているため、最大Φ300mmまでの大面積試料を非破壊で内部観察することが可能です。さらに、独自の光学系により、最小0.5µmの高い空間分解能を実現しています。平坦な試料に適した光学配置により、微細孔付きガラス基板 (TGV:Through Glass Via) 、グラフィックスボード、IC基板、ウェハーなど、各種電子部品実装基板において、マイクロサイズの空隙やクラックを非破壊で観察・評価することが可能です。
斜交型X線CT

微細孔付きガラス基板 (TGV) とは

TGVは、ガラス基板に形成された微細な穴 (ビア) に金属電極が構成されており、優れた熱特性や高周波特性を備え、高密度化する半導体パッケージのインターポーザとして利用されています。電極の導電性を確保するには、ビア壁面が金属で均一に被覆されていること、充填された金属に空隙やクラックがないことが重要であり、内部構造を観察・評価する必要があります。
斜交型X線CT

三次元可視化と空隙評価

TGVのCu製貫通電極を非破壊で高精細に三次元可視化し、画像解析により貫通電極内部に存在する空隙の体積割合を評価した結果、空隙率は約0.4%でした。直交型X線CTでは分解能が低下する大面積試料においても、1μmの空隙を捉えることが可能です。
斜交型X線CT
斜交型X線CT
×

分析についてのご相談などお気軽にお問い合わせください。