クライオ用前処理により、液状インクの分散状態が観察可能です
触媒層とインクの状態
触媒層の構造をコントロールする上で、インクの状態を把握することが重要です。触媒層インクでは、カーボンの比表面積や化学的状態、貴金属担持量等によって最適な配合比が変化します。これらの条件と発現する物性との関係を明らかにし、実際のインク形態との相関を可視化することで、具体的な課題や変化点を理解することができます。
SEMによる液状インクの分散状態観察
液体エタンを用いた急速凍結によりインクを固定化し、フリーズエッチング手法により溶媒を完全に昇華させることで、溶媒との区別が困難であるアイオノマーが露出し、分散状態や形態を観察することが可能となります。また、CNTのような繊維を含むスラリーに対しても、三次元的な絡み合いを視覚的に把握できる、有用な観察手法です。
