XPSを用いたSEIの表面及び深さ方向の分布観察

SEI表面の状態・深さ方向分析

不可逆反応生成物であるSEIは、電池性能に影響を与えるため、どのような組成のものがどれだけできているかを調べることは重要です。X線光電子分光 (XPS) は表面数nm領域におけるLiを含む元素の状態分析と元素含有率を算出することができるため、SEI表面の組成分析手法として汎用的に用いられます。また、イオンスパッタリングを併用することで、元素の深さ方向分布を調べることができ、被膜の相対的な厚さの比較をすることが可能です。

SEI : Solid Electrolyte Interface
X線光電子分法の概念図

XPSによる負極表面の状態変化観測

サイクルが増すにつれ、LiF成分およびリン酸塩成分が増加する様子が観測されました。これらは、LiPF6の分解反応によるものと推測されます。また、C-OやC-O-C結合成分がサイクル品において若干強く観測されました。これは電解液主溶媒の還元分解生成物と推測されます。
XPSによる負極表面の定性スペクトル
XPSによる負極表面の状態分布スペクトル
元素含有率(mol%)
Li C O F P Mn
初期品 14.1 58 25 2.5 0.9 -
100cyc.品 15.3 49 29 3.7 3.1 0.2
200cyc.品 16.0 45 30 4.5 3.8 0.2
500cyc.品 14.9 46 30 4.8 4.4 0.2

XPSデプスプロファイリングによる深さ方向分析結果

サイクルが増すにつれ、C含有率が飽和していく深さが深くなり、C含有率も低くなっていく様子が観測されました。これは、活物質周りの被膜が厚くなっていることを示唆しています。また、それに伴いLi,F,P含有率が高くなっていく様子が観測されました。
XPSによる負極表面のデプスプロファイル
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