リチウムイオン電池 SiO/Gr負極の三次元構造解析

大気非暴露での前処理技術により三次元構造解析が可能になりました

高容量SiO/Gr負極における分散状態観察

SiOとグラファイト (Gr) の混合負極は、高容量LIBの負極材として注目されています。SiOはLi反応時の膨張率が大きく、電極の空隙率増加やパス切れが起こりやすいため、劣化後の電極構造を三次元的に把握することが重要です。日産アークでは、全ての前処理を大気非暴露で実施することで、3D-SEMによる劣化後SiO/Gr負極の三次元構造解析が可能です。
SiO/Gr負極の概略図

大気非暴露前処理有無の比較

大気非暴露前処理を行わない場合、SiOが包埋樹脂と反応し、空隙が発生します。一方、大気非暴露前処理を施すことで、SiOと樹脂の界面における空隙発生が抑制されたため、本手法が、SiO/Gr負極の観察に有効であることが確認されました。
前処理の有無での比較

SiO/Gr負極の三次元構造解析

取得した2D画像の三値化 (Gr, SiO, 空隙) 解析結果から、SiO粒子周辺には空隙が多く、SiOの膨張収縮に起因すると考えられます。さらに、3D構築像および3Dモデルを作製することで、空孔率や曲路率等の電池性能に紐づく各種パラメータを三次元情報として算出することが可能です。
SiO/Gr負極
SiO/Gr負極の三次元構造
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