水銀圧入法及びSEMを用いた空隙率・活物質形状変化の評価

水銀圧入法やSEM+画像解析法により電極空隙率を評価します

概要

リチウムイオン二次電池の高容量化のために、電極密度を高める方策がとられています。しかし、電極密度を高めることによって、活物質の割れや、空隙率の減少に伴う電解液の浸み込み度合いの低下などが懸念されます。水銀圧入法やSEM+画像解析法によって、空隙率や活物質の変形を数値的に評価することができます。

水銀圧入法による細孔分布測定結果

・未プレス品には15μm付近と4μm付近に細孔分布のピークが見られましたが、低圧プレス品では15μmのピークが消失し、4μmのピークも若干左へシフトしていました。高圧プレス品ではさらに細孔径は小さくなり、細孔容積も明らかに減少しました。
・空隙率は未プレス品と低圧プレス品に差はありませんでしたが、高圧プレス品では大きく減少していました。

SEM+画像解析法による空隙面積率測定結果

・未プレス品⇒低圧プレス品:厚さが若干減少した他、大きな空隙が減少し、活物質粒子間の距離が短くなる傾向が見られました。
・低圧プレス品⇒高圧プレス品:厚さや空隙がさらに大きく減少しました。

2つの手法の結果を合わせると、低圧プレス品では主に活物質粒子のブリッジングの解消による大きい空隙の減少、高圧プレス品では粒子や小さい空隙の圧縮が起こっていると推察されました。

・空隙率:未プレス品と低圧プレス品では電極下部が上部や中央より高い値で、いずれもほぼ同様の値でした。
・高圧プレス品では他の2点より低く、部位による差異も小さくなりました。

・活物質:プレス圧の増加にともない粒径が小さくなる傾向が見られましたが、顕著な変形は見られませんでした。

電極内の空隙分布や活物質形状も評価できます。

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