オージェ電子分光法 (AES) によるSi系負極上のSEI被膜解析

高い空間分解能を有するAESにより粒子を選択して分析できます

オージェ電子分光法 (AES)

特徴
高い空間分解能 (約10nm)
・表面分析 (検出深さ数nm)
・元素選択的 (Liも分析可能)
・大気非暴露分析可

電池材料におけるAES分析の活用ポイント
・高い空間分解能を利用し、電極、活物質表面に形成された被膜の均一性を評価できます。
・元素識別性を利用し、活物質を区別して、それぞれの表面被膜を分析できます。

Si/グラファイト負極におけるFEC分解反応の分布解析

フルオロエチレンカーボネート (FEC) はサイクル寿命劣化向上のための電解液添加剤として期待されています。本分析ではSi/グラファイトの混合系電極を負極に用いたときのFECの分解反応分布について調べました。

●表面被膜の元素組成マッピング分析
・Fのマッピング分析の結果から、FはSi粒子上に多く存在しており、FECはSi上で多く分解していることが示唆されました。また、Fは単一粒子内では不均一に存在していることがわかりました。

・深さ方向分析の結果から、グラファイト粒子およびSi粒子のそれぞれの深さ方向分析から、Si粒子の方がSEI被膜が厚いことがわかりました。

●混合電極上の活物質を区別したSEI被膜の厚さ・組成分析
空間分解能の高いAES分析により、グラファイト/Si混合負極表面におけるFECの分解反応の分布を捉えることができました。これより、FECはSi粒子表面上でより多く分解され、SEI被膜を形成していることが示されました。

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