溶媒抽出法を用いたNMRによるSEI抽出液の定性・定量分析

SEI抽出液の詳細な構造解析と高感度定量が可能です

SEIの溶媒抽出と定性・定量分析

SEIは、充放電になくてはならない被膜ですが、膜厚が厚くなると電池性能の低下を招くため、どのような成分がどれくらいできているか調べることが重要です。
溶媒抽出法を用いた高磁場NMR分析により、汎用的な表面分析だけでは困難であったSEIの構造情報の取得と電極全体での定量的な評価が可能です。

SEIの溶媒抽出方法概略図

電解液溶媒で電極を洗浄し、残存電解液および電解質塩を除去した後に、高極性溶媒を用いてSEI成分を抽出します。
その抽出液をNMR分析することで、SEI抽出物の定性・定量分析が可能です。

一般的なSEI成分
有機成分:ROCO2Li, (ROCO2Li)2,
     ROLi, リン酸エステル類など
無機成分:LiF, Li2O, Li2CO3など
   (青字:本手法で検出可能な成分)

SEI抽出液の二次元NMR分析結果

高磁場二次元NMRの手法を用いて、抽出成分の構造を確認できます。メトキシ基、エトキシ基、エチレンジオキシドの信号が観測されました。

SEI抽出液のNMR分析結果

有機成分については、-OCH2CH2O-, -OCH2CH3はほぼサイクルに依存せず、-OCH3はサイクル増加にともない微増する傾向が観測されました。また、LiFはサイクル数の増加にともない増大していく様子が確認できました。

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