化粧品中の微小な配合成分を可視化・定量化できます。国内初導入となる三次元X線顕微鏡 (3D-XRM) 装置を用いて、口紅やサンスクリーンなどの化粧品について非破壊観察を行いました。本装置は従来装置に比べて圧倒的に高い空間分解能で観察ができ、製品中の微細な添加剤などを三次元的にとらえ、定量的に評価することが可能となりました。
高分解能X線顕微鏡による化粧品成分の分散状態評価
三次元X線顕微鏡 (3D-XRM) は非破壊で化粧品の内部構造を可視化できる手法です。製品内部における欠陥 (空隙や異物など) の検査や微小な配合成分などの分散状態を評価することができます。当社のXRMは、大きな試料でもそのままの状態にて高い分解能で観察することができますので、製品管理から研究開発フェーズまで幅広い用途でご活用いただけます。

口紅の非破壊内部構造観察
口紅の内部構造を観察したところ、マクロ測定では空隙となる欠陥が検出されました。また、高分解能測定では様々な形状の微粒子が確認されました。口紅の主成分は、オイルやワックス、色材ですが、その他に様々な機能を有する微粒子が添加されています。その中でも板状の無機粒子は光沢性の付与や肌への付着性向上のために添加することが知られています。数μm~数10μmの板状粒子を画像から抽出したところ、口紅の軸方向に粒子の面が垂直に配向している様子がみられました。
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