日産アークでは、ナトリウムイオン電池に使用される電極材料の劣化観察を行っています。 SEM-EDXを用いてNIB正極の形態観察、元素分布を調査することで、劣化による変化を視覚的に評価することができます。
NIB正極材の形態変化観察
ナトリウムイオン電池 (NIB) の正極は活物質や導電助剤、バインダーなどから構成されます。これらの形状や分布が変化することで電子やイオンの導電パスの変化が起こり、電池性能に影響します。SEM-EDXによる断面観察を行うことで、それらの変化を視覚的に捉え、評価することができます。
SEM-EDXによるNIB正極材の断面形態観察
サイクル増加に伴い、活物質二次粒子の割れがわずかに増加し、活物質内のNa濃度の減少が認められました。Naの顕著な偏りは確認されなかったことから、導電パス切れには至っていないと推測されます。