全固体電池のラマンマッピングによる劣化固体電解質の可視化

共焦点ラマンは非破壊・非接触で分析できることから、電池を大気非暴露で分析するのに適したツールです。加工ダメージの起こりやすい全固体電池の固体電解質について機械的な断面を作製し、正極における状態を観測した事例をご紹介します。酸化劣化により生じたと考えられるアモルファス成分および硫黄を検出し、それらの分布を可視化しました。

共焦点ラマンと大気非暴露分析

ラマン分光法は非破壊・非接触で試料の局所的な化学情報を取得することができる手法です。共焦点ラマン顕微鏡を用いると、高い空間分解能 (400nm~) で試料表面の化学情報を可視化できます。これらの特徴により、ガラス窓を設けた密閉セルに断面試料を封止することで、固体電解質 (SE) の状態とその分布を大気非暴露で調査することができます。
当社では特殊な絶縁刃を用いて、セルを短絡させずに低ダメージにて加工断面を調製し、ラマンマッピングを実施しています。

ラマン分析

正極内SEの変質成分とその分布

全固体電池は、耐久試験により容量劣化や抵抗増大を生じます。特に正極では、SEが酸化によって変質し、イオン伝導率が低下するとされています。ラマン分光により得られる局所的な化学情報は、変質成分やその位置を特定し抵抗増加の要因を探る手掛かりとなります。

充放電曲線
ラマン分析 ラマン分析
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