全固体電池正極層のSEM/TEMによる劣化評価

ASSBのSEM/TEM像を画像解析により数値化し、劣化傾向を把握することが可能です。保存品やサイクル品の容量劣化や電気抵抗増大は、SE部とSE変質部の面積割合と相関があると推察されます。

全固体電池 (ASSB) 正極層におけるSE劣化評価

ASSBは、耐久試験により容量劣化や抵抗増大を生じます。特に正極では、固体電解質 (SE) が酸化によって変質し、イオン伝導率が低下するとされています。日産アークでは、SEM/TEM観察による可視化に加え、画像解析による数値化により、劣化傾向の把握をご提案します。

全固体電池

SE変質相の面積率変化

SEM観察の結果、SEの一部に変質が認められました。初期品のSE変質相は5%であったものが、保存品では13%に増え、さらにサイクル品では50%となることが分かりました。このことから、保存品<サイクル品の傾向でSEの劣化が進行していると考えられます。

初期品 保存品 サイクル品
SEM
低倍率
上段
赤枠部拡大
画像解析図形
SE:

SE変質:

劣化面積率 5% 13% 50%
※劣化面積率 (%) = {SE変質面積/ (SE+SE変質面積) }×100

SE変質相の結晶性評価

サイクル品のSE粒子をTEM観察したところ、変質相は粒子表面に存在しました。さらに変質相と内部の電子回折により、SE部は結晶質、SE変質部は非晶質であることを見出しました。

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