NIB負極SEIの表面組成や膜厚を調査することで、反応や劣化機構の解明に有益な情報を得ることができます。XPSにより、表面数nm領域におけるNaを含む元素の状態分析と元素含有率がわかります。また、Arイオンスパッタを用いることで元素の深さ方向分布もわかります。
NIBにおけるSEIの表面状態・深さ方向分析
ナトリウムイオン電池 (NIB) におけるSEI (Solid Electrolyte Interface) は不可逆反応による生成物として電池性能に影響を与えるため、どのような組成のものがどれだけできているか調べることは重要です。XPSは表面数nm領域におけるNaを含む元素の状態分析と元素含有率を算出することができるため、SEI生成反応を考察する上で有益な情報を得ることができます。また、Arイオンスパッタリングを併用することで、元素の深さ方向分布を調べることができ、SEIの相対的な厚さの比較が可能です。

XPSによるNIB負極表面の状態変化観測
負極表面の定量分析により、Na, O, Cの含有率が全体的に高いことがわかりました。加えて、状態分析によりサイクル数増加に伴いNa2CO3成分の割合が増加する様子が観測されました。これらの結果から、エチレンカーボネート (EC) の還元分解割合が増加していることが推測されます。
