リチウムイオン電池 特殊セルを用いた正負極分離ガス分析

正極・負極由来の発生ガスを定性・定量評価できます

電池内部ガスの分析

電池内部では、電解液の酸化還元分解にともない、被膜の形成と同時に多様な成分が生成されます。これらの挙動を把握することで、電池内における反応機構の推定および安全性の向上につながります。また、特殊セルの導入により、充放電過程において正極・負極それぞれから発生するガスの分析が可能となりました。これにより、正極・負極における反応に関する知見を得ることができます。

特殊セルを用いた正負極分離ガス分析

正極・負極を分離した特殊構造のセルを用いることで、充放電時に正極・負極それぞれから発生するガスを採取・分析することができます。特に、固体電解質膜をセパレータ兼ガス分離膜として用いることにより、非常に高いガス分離能と安定した充放電動作の両立が可能となります。
特殊セル
ガス分析結果と充放電試験
・セル構成
正極:LiNi0.6Mn0.2Co0.2O2 負極 :グラファイト 電解液 :1M LiPF6 EC / DEC = 3 / 7 (v / v)

・充放電試験条件
試験温度:25°C レート:0.1C サイクル数:3サイクル 電圧範囲:4.3V ~ 2.7V

電解液中VC添加剤の有無による発生ガス挙動の比較

VC (Vinylene Carbonate) 添加により、負極側ではCO2の増加とC2H4の減少が確認されました。これらの結果より、VC由来の被膜生成にともない、特に負極においてECの分解が抑制されているものと推定されます。
正極と負極のガス分析結果
推定される被膜生成反応
* J. Phys. Chem. C, 119 (2015) 11337-11348.
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