AFM-IRの測定原理

AFM-IR測定とは、ナノスケールの分解能を有する新しい赤外分光分析技術です。通常のFT-IRより1/200である50nmの対象物から赤外分光スペクトルを得ることが可能な分析法です。

AFM-IRの測定原理

AFM-IRは、光熱誘起共鳴 (photo-thermal induced resonance, PTIR) 効果を活用します。

1.波長可変IRレーザー光源の赤外線を全反射 (ATR) プリズムを通して下からサンプルに照射します。
2.IRレーザー光の照射に伴い、サンプルの分子振動 (吸収される光) は加熱を引き起こすため、サンプルを大きく膨張します。
3.この急激な熱膨張は、一定の波長でIR光のナノ秒パルスの吸収によって引き起こされ、高感度であるAFMカンチレバーがこの振幅変化をリングダウンとして検知します。
4.このリングダウン振幅は、IR照射量と比例するため、 フーリエ変換した値を照射したIRレーザー波数とプロットすることによりAFM-IRスペクトルが得られます。

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