放射光CTによるリチウムイオン二次電池の高分解能三次元観察

活物質の膨張収縮挙動が高分解能で観察できます。放射光CTの高エネルギーX線での高い分解能によって、リチウムイオン電池を非破壊で観察することが可能となり、容量劣化の要因の一つである活物質の膨張収縮を観察することができます。さらに画像解析により定量的な評価も可能となります。

活物質の膨張収縮評価

リチウムイオン電池の重要な課題の一つに容量低下があります。その原因の一つとして活物質の膨張収縮によるLiイオン、電子の導電パスの断裂が考えられます。これらの膨張収縮が放射光CTを用いることでOperando及びマルチスケールでの測定が可能になります。よって電極全体から活物質粒子までの膨張収縮が観察でき、更に画像解析を加えることで定量的な議論も可能となります。

放射光CT (ナノ、マイクロ) の構成

透過能に優れた高エネルギーX線 (20~30keV) を用いたCT測定によって、活物質以外の部材の影響を最小限に抑え、高解像な画像観察が得られます。また、マイクロCT、ゾーンプレート、位相板を用いたナノCTを相補的に利用することでマルチスケールで電極構造、活物質の膨張収縮が議論可能となります。

放射光CT (ナノ、マイクロ) による負極活物質観察及び画像解析

マイクロCTによって電極全体を観察し、詳細に観察したい場所を特定、ナノCT観察を行いました。空間分解能32nm、位相板を利用したために黒鉛の詳細な形状を観察することができました。充電深度を変化させることで、同一活物質粒子の比較も可能です。また、観察像を画像解析することで定量的な議論も可能となります。

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