日産アークでは、自動車関連材料の研究開発で培った高度な分析・解析技術を基盤に、化粧品分野の研究開発支援に取り組んでいます。製品や原料の構造・特性・機能を多角的に「見える化」し、処方設計や効果検証を科学的根拠に基づいて支援できることが私たちの強みです。化粧品開発における課題解決や価値創出に貢献するための、各種分析・解析技術をご紹介します。
【目次】
1.化粧品の研究開発における技術的課題
2.課題解決のためのアプローチ
3.課題解決につながる分析・解析の技術
事例1)クライオ電顕による可視化技術
事例2)共焦点ラマン顕微鏡による化学状態分布解析
事例3)X線CTによるサンスクリーン構造の可視化
4.最後に
1.化粧品の研究開発における技術的課題
2.課題解決のためのアプローチ
3.課題解決につながる分析・解析の技術
事例1)クライオ電顕による可視化技術
事例2)共焦点ラマン顕微鏡による化学状態分布解析
事例3)X線CTによるサンスクリーン構造の可視化
4.最後に
1.化粧品の研究開発における技術的課題
化粧品の研究開発では、製品の効能効果をお客様や取引先に対して客観的かつ定量的なデータで示すことが不可欠です。
また近年は、リポソームなどに代表されるナノ化技術の進展により、成分と肌バリア機能との相互作用を理解する重要性が高まっています。一方で、製品の多機能化により処方は複雑化し、成分の分離や経時変化といった品質リスクの評価も課題となっています。
これらの課題に対応するために、実際の皮膚や皮膚模倣基板の上での状態をありのまま捉え、皮膚内部での製品挙動を非侵襲で解析できる技術が求められています。
また近年は、リポソームなどに代表されるナノ化技術の進展により、成分と肌バリア機能との相互作用を理解する重要性が高まっています。一方で、製品の多機能化により処方は複雑化し、成分の分離や経時変化といった品質リスクの評価も課題となっています。
主な技術的課題
- ■ 製品効果を客観的データで示すための可視化・数値化技術の確立
- ■ ナノ化技術の進展による成分と肌バリアとの作用機序の解明
- ■ 複雑な処方における分離・変質リスクの把握
これらの課題に対応するために、実際の皮膚や皮膚模倣基板の上での状態をありのまま捉え、皮膚内部での製品挙動を非侵襲で解析できる技術が求められています。
2.課題解決のためのアプローチ
課題解決の鍵となるのは、化粧品の構造や成分分布を「ありのままの状態」で捉えることです。
具体的には、人工皮膚や皮膚模倣基板上での成分分布観察、時間とともに処方が変化する様子のリアルタイム計測、さらに内部構造を非破壊で三次元解析する手法により、製品の機能発現メカニズムを高精度に理解することが必要です。
ありのままの状態での
可視化・数値化
皮膚模倣基板を
用いた測定
皮膚内部の
非侵襲解析
リアルタイム計測
日産アークでは、クライオ電子顕微鏡、共焦点ラマン顕微鏡、X線CTを中心とした各種可視化技術により、化粧品の構造・成分・分布を多面的に解析します。
具体的には、人工皮膚や皮膚模倣基板上での成分分布観察、時間とともに処方が変化する様子のリアルタイム計測、さらに内部構造を非破壊で三次元解析する手法により、製品の機能発現メカニズムを高精度に理解することが必要です。
ありのままの状態での可視化・数値化
皮膚模倣基板を
用いた測定

皮膚内部の非侵襲解析
リアルタイム計測

日産アークでは、クライオ電子顕微鏡、共焦点ラマン顕微鏡、X線CTを中心とした各種可視化技術により、化粧品の構造・成分・分布を多面的に解析します。
| クライオ電顕 | ナノレベルでの構造観察やクライオ観察により、製品のありのままの状態を評価できます |
| 共焦点ラマン 顕微鏡 | 非破壊で化学状態とその分布をリアルタイムで可視化し、皮膚上での成分挙動を解析します |
| X線CT | 皮膚模倣基板上の化粧膜の内部構造を立体的に把握し、微粒子の分散状態や欠陥を把握します |
3.課題解決につながる分析・解析の技術
事例1)クライオ電顕による可視化技術
化粧品が想定した機能を発揮するためには処方設計どおりの微細構造を有していることが重要です。例えば口紅では、保湿成分や色素の分散状態が塗り心地や発色性を左右します。液体エタンによる急速凍結とクライオ電子顕微鏡を組み合わせることで、口紅の内部構造をリアルな状態で可視化できます。さらにエネルギー分散型X線分光分析 (EDX) を併用することで、元素分布の評価も可能です。
【クライオSEMによる口紅のカードハウス構造の観察 (詳細は、こちら)】

その他の電子顕微鏡の活用事例
事例2)共焦点ラマン顕微鏡による化学状態分布解析
化粧品の機能を評価するうえでは、肌に塗布された状態での分析が重要です。共焦点ラマン顕微鏡は、焦点位置を制御することで化粧膜の三次元構造を観測でき、非破壊で化学情報を取得できます。電子顕微鏡ほどの空間分解能はありませんが、非破壊で化学状態とその分布をリアルタイムで可視化し、in vitro皮膚モデル (または皮膚代替モデル) 上での成分挙動を解析します。
【ラマンマッピングによるスキンケア膜の状態比較 (詳細は、こちら)】

その他のラマン分光分析の活用事例
事例3) X線CTによるサンスクリーン構造の可視化
サンスクリーン製品では、微粒子の分散性がUV防御性能に大きく影響します。最新の三次元X線顕微鏡 (X線CT) を用いることで、非破壊かつサブミクロン分解能で内部構造を可視化し、微粒子の分散状態や空隙・異物などを評価できます。皮膚模倣基板上に形成した塗布膜の構造を汗噴霧前後で比較することにより、使用環境における状態変化の把握も可能です。
【汗噴霧前後におけるサンスクリーン塗布膜の3D像比較 (詳細は、お問い合わせください)】

その他のX線CTの活用事例
4.最後に
日産アークは、異分野で培った分析・解析技術を融合し、化粧品研究開発における課題解決を支援します。製品価値を科学的に裏付けたい、処方設計の根拠を明確にしたいといったニーズに対し、最適な解析ソリューションを提供します。